恐れる事なかれ

夜回りさん

とある小学校の通学路にて出現をした怪異。車輪のような形をしたものに無数の手が生えており、車輪の真ん中には巨大な目が泳いでいる。この怪異は子どもをターゲットにしており、黄昏時になると現れる。
その子がよく知るお母さんの声で「こちらを振り返ってちょうだい」「○○ちゃん危ないわよ」と話しかけてくるのだ。話しかけられたら最後、振り返るまで付き纏ってくる。そして振り返った子は異界へと連れ去り、暗い暗い道を歩かせ続けるといったものだ。

この怪異が生まれたのは【子を欲する女の未練】からだと推測される。不妊治療をしている女性がいるのだが、その女性は何年かけても子どもができない。通学路にある家だから子ども達が楽しく帰宅する姿を見て自分のところにも帰ってくる子がいたらなんて考えていたのだろう。暗い道を歩かせ続けるのはそもそも女の家に帰れる子はいないからだと考えられる。

怪異は人間の負の感情から生み出されるものだ。何かを羨む気持ちも怪異となるならば、我々赤道村の仕事は尽きることはないのだろう。


あと余談だが、封印された後はおとなしくしており、度々出会ってくれる男性を待っているそうだ。

2022/8/3